僕は写真集を買った事がない。アイドルとか、タレントとか、特にファンの人もいないし、まあ好きぐらいの人はいるけど写真集を買うほどではない。
そもそも写真集ってそんな何回も見るのか?と思っている。
そんな僕が、何回も見る写真集がある。
猫写真家・沖昌之さんの「残念すぎる猫」だ。この写真集には、美しく、毛並みが綺麗で、まるで猫界のモデルのような猫達が、一匹もいない。
みんな薄汚れていて、あざといかわいさなど一つもなく、情けない姿や表情の猫達ばかりだ。
それがまあ、なんともかわいい。
普段素っ気ない猫達が、どこか「人間臭く」見えるのだ。猫なのに。
この残念すぎる猫、人間で言うと、綺麗なモデルさんを写した写真集ではなく、新橋のサラリーマンとか、バーゲンにごった返すおばちゃんとか、すっぴんでコンビニに買い物行くOLさんとか、そんな感じだろうか。
見ててふと気がつくと、1〜2時間ぐらい平気で経ってる。
街で見かける野良猫に逃げられる、触りたいけど猫に懐かれない、きっとそんな方の癒しになる写真集だ。