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船戸優里「結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記」 - 今後、幼い命が奪われる事件を減らすヒントに...母親の哀切な叫び

2020.04.12   CULTURE | CD

小学館
1,400yen+tax

今後、幼い命が奪われる事件を減らすヒントに…母親の哀切な叫び

 
 「もうゆるして」…胸痛む目黒虐待死、母の手記を読むと印象が少し変わるかもしれない。この母、シェイクスピア読み誤字なく心境綴る字もきれい(表紙などに手書きメモ)。男も大卒で衝撃を受けたが「そう思う自分」にも厭な思いが湧いた。睡眠削られれば誰でも判断力落ち行動不能になる。獣にも劣る事件はDQNのIQ低い犯罪と思いがちではなかろうか。人格否定を伴い精神的に追い込む凄惨な父親の「説教」実態が明かされる。インテリ名家どんな家でも壁1枚内側で虐待が起きる。
 1審時、「体張って守れなかったの?」と裁判員に聞かれる場面は胸を抉られ洗脳の困難さに理解得る難しさを実感する。リフト乗り場で娘を探す夢が哀切だ。男が虐待内容を全て話さず結審し、母親は事実を語るべく控訴した。彼女に寄り添った弁護士は赤軍リンチの永田洋子も担当していたという。幼い命が奪われる事件減らすヒントになる母の叫びに耳を傾けてほしい。(澤水月)

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