男子の本質はここにあり。文化は繋がって人生は人を紡いでいくのだろう
私は 1 日の終わり、床に着き眠る前に漫画を数冊読む。そんな時に余り難しい本は 読みたくはない。1 日を駆け抜けてきたのだ。リラックスしたい。読む漫画の候補 は数多くあるが、その中で手に取る回数が多い漫画の事を書こうと思う。
私の推しは「アフロ田中」シリーズである。地味に笑え。微かに泣ける。幸せ溢れ る田中の人生ではないが、悲壮感はない。なんとなく自分に似ている気もする。
主人公の田中は巻数を重ねる事に年齢を重ねて行く。高校生からフリーター。地元 を出て上京、就職し彼女が出来て同棲。最近ではとうとう結婚した。童貞感溢れる 主人公であった田中は成長していくように見える。
夜は更けて、もう眠らなければならない。ベッドの傍らに漫画を落として眠る前に 思う。描かれている登場人物は私の人生にも登場してきた気がして、現実の過去の 同級生や友人達に繋がる。元気でやっているだろうか。
田中同様、私も傍らにある日々は移り変わっていく。 そのうちに田中も年を取り私も年老いていくだろう。 出来れば、誰かが私の人生を漠然と思い返した時に、くすりと笑えるような、そん な日々が続いていけばいいなと思いながら安らかな眠りにつくのだ。
昭和の漫画王は主人公の口癖にこんな言葉を書いた。
「それでいいのだ。これでいいのだ」
現代を生きる田中は言う。「知らんけど。」なんとなく似ている。
文化は繋がって人生は人を紡いでいくのだろう。