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川越宗一「熱源」- 日本は単一民族だとほざいた閣僚がいたがこの本は歴史、民俗学の宝庫だ

2020.03.08   CULTURE | CD

文芸春秋
2,035yen(tax in)

歴史、民俗学の宝庫

 第162回直木賞受賞作である。巷で評判の作品なので図書館でちょいと触って「これは自分で断固持っていたい本だ」と思って書店に走った。なんと書店では大量に入り口に積まれていた。壮大なフィクションだ。第160回の直木賞の真籐順丈さんの『宝島』といい大作の連発がこのところの直木賞なのだ。本読みにとってこれは見過ごすことができない。アイヌやサハリンの少数民族や南極探検隊、金田一京助、ポーランド、ロシア、レーニンまで登場するスケールなのだ。日本は単一民族だとほざいた閣僚がいたがこの本は歴史、民俗学の宝庫だ。それらの歴史が織り込まれちょっと難しい内容だが、私は充分楽しめた一冊だ。君も挑戦してみてはいかがだろうか。「『熱源』読んだ?」って言える君は素敵になれるのだ。(平野悠)
 

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