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石田衣良「スローグッバイ」- 毎年、春になるとそっと読み返してしまう一冊

2020.03.05   CULTURE | CD

集英社文庫
550yen+tax

毎年、春になるとそっと読み返してしまう一冊

 もうすぐ、春がくる。新しい出会い。新しい環境。自然と心が桜の花びらのように柔く染まってゆく。そして、同時に別れもくる。2005年に出版された本作品は、恋愛を軸にした短篇作なのですが、穏やかで陽の差すの気持ち良い日に少しだけ温かい風を感じながら読んで頂きたいわたしのお気に入り。
 「わたしと『ローマの休日』をしませんか?」から物語が始まる“ローマンホリデイ”や、なかなか素直になれず涙を流すことのできないときに「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ。」と、自分自身に声を掛けてくれているかのような心がじんわりと解れていく“泣かない”を含む、出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく綴る10篇。甘くほろ苦い恋愛の話も石田衣良さんの言葉によって別れがどことなく春の風のように爽やかに感じられる。この春、『スローグッバイ』から始まる新しい小説との出会いをあなたにも薦めたい。(阿佐ヶ谷ロフトA:おくはらしおり)

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