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トップレビュー乃木坂太郎 『夏目アラタの結婚』1巻 - 限りなく黒に近いヒロインは、本当に殺人を犯したのか

乃木坂太郎 『夏目アラタの結婚』1巻 - 限りなく黒に近いヒロインは、本当に殺人を犯したのか

2020.02.07   CULTURE | CD

小学館
591yen+tax

限りなく黒に近いヒロインは、本当に殺人を犯したのか

 
 『医龍』で知られる乃木坂太郎の新作。今作でのヒロインはなんと殺人事件の容疑者。シリアルキラーの代表格の1人“ジョン・ゲイシー”を意識したやつれた犯人が、刑務所での管理された生活で美女(美少女?)に。ただ、瞳の奥に隠れる狂気はそのまま。まだ審議中の彼女に対峙する児童相談所職員の主人公。手荒い手法ながらも熱血漢。ともに虐待された過去を持ち、奇妙に惹かれあう二人。その感情は恋愛なのか・同族嫌悪なのか。まだまだ序盤で謎だらけの物語。監獄の中ということで決定的な殺害・暴力描写はないものの、作品の持つ空気感と両主人公がのぞかせる狂気と闇、怖いもの見たさの好奇心から作品に引き込まれていく。限りなく黒に近いヒロインは、本当に殺人を犯したのか。虐待による知能の低下は演技なのか。予測不能の展開は目が離せない。(LOFT/PLUS ONE:柏木聡)

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