待ちに待った小沢健二の13年ぶりフルアルバム
リード曲「彗星」は、従来の多幸感を残しつつも、更なるドキドキを感じさせてくれる。日常を宇宙と対比させ、過去、現在、未来を行き来し、まさに彗星のように聴き手をこの世界に誘う。名曲「強い気持ち・強い愛」と構成が同じになっているのもまた面白いポイント。そして、「彗星」「シナモン(都市と家庭)」この両曲には時々、父としての小沢健二が感じとれる。それは優しさだけではなく、穏やかさであるとか、新たな小沢健二の側面をそこに見ることができる。
アルバム全体を通じて感じ取れる一種の楽観主義はこれからの2020年代を生きようとする聴き手に勇気を与えてくれる。ーいま必要なことはなんなのか、ちゃんと考え肯定できるその勇気をー
おかえりなさい。王子様。「真実はだんだんと勝利する 時間ちょっとかかってもね」(LOFT/PLUS ONE:作久川将大)