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トップレビュー吉田雄介 「故人サイト: 亡くなった人が残していったホームページ達」- 死にゆくまでの時間を考えさせられてしまう

吉田雄介 「故人サイト: 亡くなった人が残していったホームページ達」- 死にゆくまでの時間を考えさせられてしまう

2019.08.10   CULTURE | CD

社会評論社
1,700yen+tax

死にゆくまでの時間を考えさせられてしまう

 
 私は今、このRooftopで小説に挑戦していて、テーマは「生と死」なので参考にこの本を買って読んだ。もう4年ほど前に出版された本だ。死にゆく人のSNSやブログを拾ったこの本は、どこか趣味がいいとは言えないものがある。なかなか重い。ただ、著者はそれぞれの死にゆく人の姿を愛情を持って紹介、解説しているので、優れた本であることは間違いない。なかなか読み進められない。本書は不慮の事故・災害・病気・自殺などで死んでしまった人達のサイトをジャンル分けしながら集めて検証している。症状に苦しみ死にゆく人たちの残したブログを丹念に記録しているのだ。時折、「こんな死にざまもいいな」と思える文章が読める。しかし、載っている人たちが、すでに故人というのが辛い。本屋でページを開いた瞬間、目が離せなくなった。突然の病で亡くなった人たち、突然死や事故や様々なケースが載っている。でも死後まで死の記録のブログが残るなんて、やっぱりやだな。(平野悠)

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