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リディア・ケイン、ネイト・ビーダーセン「世にも危険な医療の世界史」- 煙草カンチョー、ヒルで血減らし...珍妙と笑ってだけいられる?

2019.07.11   CULTURE | CD

2,376yen(tax in)
文藝春秋

 電車読み危険なほど爆笑、珍妙な話し多い。テムズの溺死者には大仰な「煙草浣腸器」をお尻に突っ込み煙吹き込む。2千年以上「効果」信じられた瀉血…モーツァルトは2L抜かれ死ぬ。後にはヒルに血を吸わせ(子宮頸部に噛みつかせることも!)、再利用する! 時には尻尾切り血で腹が膨れないようにも。頭蓋に穴開け精神的疾患を抱える人の脳をえぐるロボトミー、ミイラのエキスや人血を用いた治療など当時は真面目に信じられた試行錯誤の上に現代医療がある。
 笑ってばかりもいられない。類感魔術…似た物が有効、という考えは「薄毛に海藻。精力減退にはオットセイの睾丸」などエビデンス無視で今も根強く残る。便秘は「腸内から毒素が全身に回るから(そんなことは皆無だそうだ)絶対デトックスすべき」や、磁石は体にいい…もCMされ続けている。数十年後、民間医療が否定されても代替医療やインチキ医師は無くならないだろう…と寒気が。(尾崎未央)

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