今は行動をしなくても簡単に連絡が取り合える時代。だけど、文字だけを送るより行動した方が真っ直ぐに気持ちが伝わるとわたしは思っている。

　本作品は著者である歌人・穂村弘さんが憧れの人としている宇野亞喜良さんや甲本ヒロトさん、谷川俊太郎さんといった方々との夢のような対話が描かれている。秘密を知れたようなドキドキ感。対話中に溢れ出す言葉の数々は、目の前にお二人がいるかのような臨場感。そして、穂村さんの相手に対する尊敬や愛情もすごく伝わってくる。穂村さんの中で抱いていた出逢う前と後の印象として“逢ってから、思うこと”も描かれ、実際に逢うとそれまでの勝手に抱いていた印象とは異なっていたり、さらに好きの気持ちが溢れたり…会いに行くことの大切さも感じられる対話集。こんなにわくわくした対談集ははじめて。

　今、あなたは会いたい人いますか？ 会いたいときに会いに行く。その一歩で変わる世界もある。きっと。（阿佐ヶ谷ロフトA：おくはらしおり）