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「ファークライ:ニュードーン」- 外敵ではなく国内の社会問題にゲーム業界はスポットを当て始めている

2019.03.15   CULTURE | CD

PS4,XboxOne,PC
5,832yen(tax in)

外敵ではなく国内の社会問題にゲーム業界はスポットを当て始めている

 
 戦争ゲームといえば実際の戦争やテロが題材のことが多かったが、近年は内戦をネタにした物が増えた。前作「ファークライ5」はアメリカ農村地帯を支配したカルト教団との戦いを描いたが、そのラスト、まさかの核戦争が起こるバッドエンドを引き継いだのが本作。悲劇から17年後生存者は文明を再興したが、そこへ双子の姉妹率いるマッドマックス的ならず者集団が来襲、抗争はカルトの残党も巻き込んだ三つ巴に発展していく。果たして消息不明の教祖ファーザーの行方は? 族を倒すため前作の敵であるカルトと手を組む、という驚愕の展開、前作以上に幻覚や洗脳表現は満載で、核戦争の影響で自然も動物もカラフルに変化し、ドラッグ的かつ悪夢的だ。宗教や内戦状態という各国が直面する現状を描いたゲームが、最近多くリリースされている。映画業界が今ごろ麻薬戦争を描いている状況を見ても、ゲームは今や流行だけでなく世相をも先取りするメディアになっているのかもしれない。(多田遠志)

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