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高橋弘希 「送り火」

2018.09.07   CULTURE | CD

文藝春秋 1,512yen(tax in)

 毎年二回、かの文藝春秋社のドル箱月刊誌「文藝春秋」に日本の文学界で一番権威のある芥川賞と直木賞の発表がある。文学を目指すものは多くの新人作家含めてこの二つの賞を取ろうと思って躍起になる。一方読む方の文学かぶれの私も必然と買って読むことになる。
 さて芥川賞受賞作「送り火」だが、最終の数ページを除いてなんとも退屈で読みづらく、いくぶん投げようかと思いつつ、やはり賞をとったんだから読まねば…と自分に叱咤激励しながら読み進むと、訳のわからない集団暴力事件が発生する。陰惨な光景に読み手は戦慄する。途中、だらだら読んでいたので、どうしてこんなことになったのかわからないのは、私の不注意にあるようだ。理不尽な暴力事件は、その残酷さにもかかわらず読み応えはある。でも、もう一度読み返す気にはならなかった。本を読むということは「挑戦者」になることだと思う。君も挑戦者たれ!(平野悠)

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