今年のゴールデングローブ賞・テレビ部門の作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した本作。
舞台は、1950年代のアメリカ。金持ちの男と結婚し、絵に描いたようなセレブ生活を謳歌していたミッチ・メイゼルは、ある出来事をキッカケに、スタンダップコメディアンとして活動していくことになる……。
他人に寄りかかることで生きていた女性が自らを獲得していく様子は、まさしくサクセスストーリーの王道。しかし、今の時代への目配せもしっかりとある。
その最たるものが、第7話のクライマックスに訪れるミッチのステージだ。痛快で、愉快に、そして軽やかに「女性はこうあるべき」という決めつけを笑い飛ばしていくミッチを見ていると、セクハラ問題で揺れる現在のハリウッドのことが頭をよぎる。「Me Too」が大きな話題となった今年のゴールデングローブ賞。そんな年に本作が作品賞を獲ったことに、意味を感じずにはいられない。(Loft PlusOne West:平松 克規)