80年代、ビデオデッキの普及とバブル好景気の波がぶつかり、アニメがTVや劇場ではない形の作品発表を模索していく中でOVAというセル(レンタル)のみで作品を発表するという文化が生まれました。才能ある若手や劇場・TVでは難しい実験的な作品を発表する場となり生まれ継がれる名作・迷作の数々。こういった実験的なことを許すことができた時代を経たからこそ、今の日本アニメ業界の作品の幅広さ・発展があったと思います。まだまだアニメがサブカルチャーだった時代、今のようにメジャーになってしまったことで失いつつあるチャレンジ精神・失敗を受け入れる土壌。そういった奇跡の時代が持っていた熱量をもつ作品郡は今では見ることが難しい作品もありますが、こういった書籍を通じてある意味では新しいものをともがき混迷としていた、爆発前夜の空気の一端にふれてアニメの面白さを再確認させてくれるきっかけになるのはないかと。(Asagaya/Loft A:柏木聡)