講談社
620yen+tax
マンガ大賞2011ノミネート作品でもある「刻刻」の著者による待望の最新作、それが「ゴールデンゴールド」だ。主人公である早坂流花はある日、浜辺で福の神の置物を拾う。片思いの相手、及川が高校進学と同時に大阪へ転校する、そんな彼を引き留めるために冗談半分に置物に祈ってみると置物はまるで人間の子供のようになった。こうして彼女は置物を「フクノカミ」と名付け、行動を共にすることとなるのだが……。この漫画の面白いところは圧倒的なリアルさにある。本作の舞台は寧島という架空の島である。しかし人々がそこに息づき、生活し、まるで本当に生きているような描かれ方をしている。だからこそ「フクノカミ」という非現実的な存在のリアリティが増しているのだ。徐々に危険性を表す「フクノカミ」と翻弄される早坂達。どのような展開になるのか予想していても必ず裏切られる展開が続く。読んでいない方はぜひ読んでおくべき作品だ。(ネイキッドロフト:立川陸生)