HULUなどネット映像配信作品はあまりに膨大で、果たしていったいどれを見たらいいのかわからないくらいである。ドラマは視聴率による変動がもろに作品内容に影響し、コケれば未完の危険性もあるが、「実話ベース」ならそのリスクは少ないはずだ。その中でも最重要作品が本作。ナルコス＝麻薬密売人のタイトル通り、コロンビアの麻薬ルート撃滅に奔走する米国エージェントを描くが、カルテルだけでなく、腐敗した警察や国益優先のCIAとも対立する。実際の事件や殺人現場映像が挿入される今作はつい最近、スタッフが本物のギャングに殺害されるという事件に巻き込まれた。無事に撮影できるのか今後の展開が気になる。NETFLIXには関連作としてドラッグ、犯罪系ドキュメンタリー群や、コロンビア本国製作のナルコス最大の敵エスコバルの伝記など、知的欲求を満たしまくる廃人確定のコンテンツが膨大に存在し、実に危険きわまりない。（多田遠志）