8/25より公開
アメコミ女性ヒーローはあまりそこまで実写化されていない。せいぜいチームメンバーの一員としての役割だ。しかしワンダーウーマンは1人で看板を張れる数少ない役者である。女戦士だけの島から出てきた彼女が第1次世界大戦時の地獄と化した人間世界に舞い降りる。彼女は世の争いは全て軍神アレスが引き起こしていると信じ戦うのだが、ハタから見れば「不思議ちゃん」的であり、狂信者にさえ見える。それがやがて人々を動かしていく辺りは「ハクソー・リッジ」も思い起こさせる。しかし、本作の魅力は彼女の女っぷりの良さに尽きる。困難に立ち向かっていく様は性を越えて観客の心を揺さぶる「カッコよさ」に満ちている。「アベンジャーズ」等を量産するライバル、マーベルに対しDCは本作やTVドラマ「スーパーガール」で生き生きとしたスーパーヒロイン像を描き出している。この辺りにマーベルへのDCの逆襲の一手があるかもしれない。(多田遠志)