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トップレビュー井川楊枝 / ベースメント

井川楊枝 / ベースメント

2017.07.03   CULTURE | BOOK

TOブックス
724yen(tax in)

 『モザイクの向こう側』『女子高生ビジネスの内幕』『封印されたアダルトビデオ』など社会の裏側に肉薄するルポルタージュで定評のあるノンフィクション作家・井川楊枝が手がけた初の小説。読書好きの女子大生、麻生綾香は就活で大手出版社を何社も受けるが内定はゼロ。そんなとき、友人から紹介されたライター猪俣陽一の元で見習いを始めるのだが、猪俣の仕事の多くは実話系の雑誌の記事で、その対象はドラッグの売人やJKビジネス、ホストクラブやヤクザといったアンダーグラウンド系の分野だった。綾香は猪俣の仕事を嫌悪しつつも、人間の本性をむき出しにする地下社会に次第に惹きこまれていく──。小説の体をとっているが題材はほぼノンフィクションと言える内容で、ルポライターならではの筆力だ。本書を原作とした映画がこの夏に公開されるので、活字と映像のどちらも楽しみたい。8/12,13はロフトプラスワンウエストでも上映が決定。(加藤梅造)

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