「人に好かれたい」と思っていて好かれるものではない。それと同じようにヒーローやヒロインになれる人は限られている。そしてその選ばれし者を見つける事ができる人が世の中にはいる。その一人が渡辺淳之介であろう。自分が表現者ではないと思った時、それは一つの挫折ではなく、スタートである。「自分の理想の存在」に近づける為に、いかに他者をクリエイトしていくか。その事に長けているわけではない。ただただ真面目で不器用なだけ。ただ結果がついてきただけな気がする。本書を読むと渡辺淳之介という男についてそう思う。そしてその男を愛して止まない著者の思いが伝わる。人生に悩む若い世代に向けた人生の指南書であると銘打っている本である。何かにつまずいた時、昔の自分が嫌になった時、前に進みたい時ぜひ読んで頂きたい。渡辺淳之介の人生に自分を重ねてほしい。きっと明日もワクワクドキドキしながら生きたいと思うはずだ。(Naked Loft:日野弘美)