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ファンタスティック・フォー

2015.10.01   CULTURE | MOVIE

10月9日から全国で公開

 この秋、アメコミ映画でとんでもない作品がやってくる。それがこの『ファンタスティック・フォー』だ。延々語られる誕生物語(これは蜘蛛男にも言える)、勢い活躍するシーンが少ない。能力をリアルに描きすぎていて能力の爽快感よりもグロテスクな奇形感の方が強い…等々。監督が「製作者に俺の作品を台無しにされた」とtwitterで激怒したことも話題になったが、アメコミ最初のヒーローチームの彼らはなぜ不遇なのだろうか。しかしこれは現在のアメコミ映画界に一石を投じる作品だ。描かれているモチーフは惜しい物があってもこのような大惨事が起こり得る、それがアメコミ映画(ないしは映画そのもの)だということを思い知らされる。続編やクロスオーバーの伏線や前フリだらけで、1作で完結しているものは無きに等しい。そんな連続ドラマ的商売のアメコミ映画流行りは、いつか客にそっぽを向かれかねない、そんな危惧を改めて思い起こさせる作品であることは間違いない。(多田遠志)

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