「笑点」で有名な落語家の林家たい平が企画と初主演を務めた時代劇であるこの作品。たい平は噺家になるために、家族を置いて落語の修行に出ていたが、火事により家族を失ってしまう。なんのために夢を追っていたのかわからなくなり、落語の修行を放り投げ、江戸の長屋へ流れ着く。そこで出会った貞吉という少年に落語の稽古を頼まれ、しぶしぶ快諾し、弟子にすることに。落語を通して生きるという事を学んで行く貞吉と、もう一度落語と向き合って行こうと決意して行くたい平。さらに長屋を中心とした人々との温かいつながりが私の心をほっこりとさせた。物語終了後にある、林家たい平さんが演じる約１３分間の「薮入り」をアレンジした落語も必見です。日本PTA全国協議会特別推薦であるだけに、大人が子どもと一緒に見てほしい作品となっております。落語にまだ触れた事のない人や、落語を見に行くのが趣味ですというかたも一見の価値あり。（山崎尚哉：阿佐ヶ谷ロフトA）