私は「安西水丸」という人と作品を本人の訃報がきっかけで知りました。2014年3月脳出血のため急逝。この本は私のように最近になってファンになったものの、著作が多すぎてどれから手をつけたらいいのやらという方におすすめです。この一冊で4コマにエッセイに小説が楽しめます! 一枚一枚が素敵な安西水丸版いろはかるたや、水丸先生と親交のあった著名人とのエピソードなども盛り沢山。先生の素敵な人となりがぎゅっと詰まっています。「目立つ個性ではなく、『そこはかと漂ってくる』(いい言葉ですね)個性で大切にしたいものだ」という、エッセイの中の一文がシンプルで洒落ていて私はとても好きです。「絵を描くことはとても自由で楽しいことだ」という水丸先生の思いをこの本を読むと感じます。読みながら自分もとても絵を描きたくなりました! それに私は余計なことをしてしまいがちなので、先生の引きの美学は潔くてかっこいいなと思いました。この本を読んで私もそういう潔さを身につけたいです。この表紙のうさぎを見かけたら是非お手にとってみてくださいね!(LOFT/PLUS ONE:伊與部)