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トップレビューのはなしし / 伊集院光

のはなしし / 伊集院光

2014.08.01   CULTURE | BOOK

宝島社 / 1200yen

 ニュースが怖くて見られないことが、あった。あのチャンネルでは昔のことしか話さない。報道というのは、最新に見えて、全て秒刻みの過去の話であった。自分も過去になることを植え付けられる気がして怖かった。二十歳になるかならないかの頃だったように思う。『のはなしし』は、『〜の話、四』。五十音で割られたタイトルで伊集院光さんが語る、人気のエッセイ第四弾だ。一遍ずつがコンパクトなのでどこからでも読めるのがいいし、読み終わったあと、さみしくないのがとても良い。作者のなかには「〜の話」が無限に広がっているように感じるし、それら一つひとつが過去の体験談であるにも関わらず、今話せる、生きた話題となっているからだろう。こういう話がしたかったのだ、と、知った。静かなときにも、楽しいときにも、何度も読みたい本である。(Asagaya/Loft A 足立結香)
 
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