『グランド・セフト・オート』などのオープンワールド系ゲームも日本にすっかり定着した。『ドラクエ』『モンハン』のように成長と協力を好む日本のゲームと異なり、最初から主人公が万能感に満ち、隅々まで作り込まれた世界を探索していく…海外ゲーム特有の「開拓感」を野本でも手軽に味わえるようになったのは喜ばしい限りである。 この『ウォッチドッグス』はハッキングをメインに据えた新感覚のオープンワールドのクライムゲームである。 コンピューターネットワークが張り巡らされた近未来のシカゴを舞台に、天才ハッカーの主人公が街を牛耳る支配階層に挑んでいく…。 改造スマートフォンでハッキングし、町の住人の個人情報にアクセス、盗聴したり銀行の貯金残高までいじることが可能。カーチェイス中に信号機を操作し事故を起こさせたり、銃撃戦でも相手の持つ手榴弾をハックして爆発させたり…。ネットワークを武器として我がもののように操り、まさに現代の魔術師ともいえるハッカーになりきれるゲームであるといえるだろう。(多田遠志)