Rooftop ルーフトップ

REVIEW

トップレビュー星野陽平 / 芸能人はなぜ干されるのか?

星野陽平 / 芸能人はなぜ干されるのか?

2014.07.01   CULTURE | BOOK

鹿砦社 / 1728yen

 2段組極めて骨太な本。最大のタブー・バーニング周防氏と暴力の章、あれだけ隆盛誇ったビーイング長戸氏隠遁の真相など元々芸能に疎く虚心坦懐に取材した著者は無事で済むのかなど心配。ジャニー氏の少年性虐待確定判決が90〜00年代だけでなく、60年代にもあったとも知らなかった!B、J系楯突きほか俳優引き抜き禁じる五社協定が細かく説明され、今の独立→干しの構図に繋がるのが非常に判りやすい。交換条件とは別、抱き合わせ「バーター」の語源が「束」の業界用語てのも仰天。そして「河原乞食」問題で締めくくられるのが重い。出自明かしていた三國連太郎中心だが、問題の根底には「賤民」視線がある故のモノ扱いという指摘。以下個人的な話。数十人の芸能人に話聞いたが、四十代以上の複数の方から「僕ら河原乞食だから」と覚悟の言葉を聞いた。AKB等になりたがる現在では想像もできないだろうが、70年生まれの私の世代ではまだ芸能に身を投じようとすると「浮き草だから」だけでない異常なまでの親族一同からの引き止めや勘当があり。優等生岡田有希子もそうだし自分の同窓でも大騒動…あれは身分問題もあったのだな今思えば…。芸能関係でも声優は労組的なものあるとか、ハリウッドや韓国との比較も面白かった。(尾崎未央)

CATEGORYカテゴリー

TAGタグ

RANKINGアクセスランキング

データを取得できませんでした

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻