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原発広告/本間龍

2014.02.03   CULTURE | BOOK

亜紀書房 / 1,680yen

 福島第一原発事故については、当然のことながら当事者である東京電力の責任が厳しく問われている。しかし「東電悪し」というメディアの追求の影で、かつて原発広告を掲載し、原発の安全神話を作ってきたメディア自身の責任はほとんど追及されていないのはどういうわけか? ついでに言うと、国策として長年原発を推進してきた自民党も全く責任をとっていないのだが、それはさておき、現状ほとんど検証されていない原発広告の問題に鋭くメスを入れたのが元博報堂の本間龍氏による本書「原発広告」だ。著者は、ナチスドイツの宣伝省や戦中の国内メディアによる大本営発表と同じく、原発推進プロパガンダは権力者が国民を洗脳する重要な手段だったと指摘する。事故後、一時的に減った原発広告が今また徐々に増えてきていることに危機感を覚えた著者は「二度と同じ過ちを繰り返してはいけない」と本書を記した。歴史を忘却させないためにも是非読んで欲しい貴重な本だ。(加藤梅造)

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