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トップレビュー担当の夜/関純二

担当の夜/関純二

2014.01.07   CULTURE | BOOK

文藝春秋 / 1,365yen

 週刊青年漫画雑誌『ヤングブラッド』の編集部員である主人公、高野が担当した曲者揃いの漫画家達とのエピソードを中心とした短編小説集。著者は元『ヤングマガジン』編集長、関純二。「担当編集者と漫画家」という構図で、個人的にまず想起させられる作品としては、故・土田世紀氏の『編集王』が挙げられるが、この『担当の夜』においても、関氏の漫画に懸ける情熱や、「担当編集者」というやや曖昧な立場でモノづくりに接する自分自身の葛藤など、様々な部分で『編集王』と通ずる物を感じた。自らを「母性系編集」と称するほど、傍若無人な漫画家に対しても最後まで真摯に向き合う高野であるが、苦労は報われず、世評とは縁の無い作品の担当ばかりを重ねることになる。それでも尚、自分が才能を見出した漫画家の為ならば心中覚悟で現場に関わり続ける高野のような編集者の存在は、間違いなく必要であると言えるだろう。(LOFT PLUS/ONE:マツマル)

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