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トップレビュー一度、死んでみましたが/神足裕司

一度、死んでみましたが/神足裕司

2014.01.07   CULTURE | BOOK

集英社 / 1,260yen

 2011年9月3日、広島から東京へ向かう飛行機の中でくも膜下出血で倒れた神足裕司さん。もう目を覚ますことはないかもしれないと言われた重体からの生還、体は動かず、高次脳機能障害により記憶も覚束ない中、神足さんが自らの言葉を自らの手で原稿用紙に書き記した文章がエッセイ集として出版された。先に立つのはやはり神足さんが帰ってきたという感慨だけれど、やがてその文章に圧倒される。やさしくおかしくも、周囲に向ける視線はぴりっと辛い。「物書きのプロ」「書くことは、生きること」まさにである。実は神足さんが倒れられた日の一か月後には、当店・阿佐ヶ谷ロフトAで「神足ナイト2」なる神足さんが歌い踊り語るイベントの第二回の開催が予定されていた。「自分がいなくなった空間は、いないまま空いているのか?」という神足さんの問いへのお返事。阿佐ヶ谷ロフトAには「神足ナイト」の空間がそのままで、神足さんをのんびりお待ちしています。(阿佐ヶ谷ロフトA:児玉 恵子)

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