雑誌『装苑』の人気連載、『能町みね子の雑誌の人格』が1冊の本になった。この『雑誌の人格』とは、能町さんが面白いと思う雑誌を40誌ほどピックアップし、一誌ずつ想像される読者像を独断と偏見でイメージを膨らませながら、その“雑誌の人格”を丁寧に紹介していくというもの。能町さんの本は毎度のことながら、観察力の鋭さと想像力の幅広さに驚かされる。また、この本を手にとると、作り手の意気込みが充分に詰まっていることも感じられるはず。斜めにカットされた帯もそうだし、イラストの点数といい、能町さんが全てご自分で書いたのであろう各雑誌のロゴ、それぞれのページには所狭しとイラストと文字が並び、かなりのボリューム。さらに『装苑』の人格を定める回に至っては特色を使用した特別ページ。
雑誌に親しんで育ってきた身としては、雑誌に元気がないと言われる状況を指をくわえて見ているのはしのびない、ひとつ立ち上がらなければ! という動機からこの本は作られたそうだが、雑誌への愛情もたっぷり感じる1冊。(Rooftop:やまだともこ)
雑誌の人格/能町みね子
2013.12.03 CULTURE | BOOK