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トップレビュー失踪日記2 アル中病棟/吾妻ひでお 

失踪日記2 アル中病棟/吾妻ひでお 

2013.11.05   CULTURE | BOOK

イーストプレス / 1,365yen

 こんだけモブ詰め込むか!と読み始め驚きそのうち単なるモブでなく1人1人個性を持った「ひと」になるのに感嘆した。これは2度読むべき。隔離された世界から外へ出た際に多用される1頁大ゴマ、広々として開放感があるはずなのに何ともいえない不安感圧迫感。通りすがりのバスすら不穏に見える、これがアルコール依存症者がシラフの時の心象風景なのか…。某漫画店での逸話、落涙しつつクスリ。女王様の「次」に絶句。「鬱」くんかわいい…8年かけて描かれたとは思えぬ安定感。断酒続くことを祈る。併せて西原理恵子との共著「あるこーる白書」もぜひ。赤塚不二夫や中島らもの晩年美化を危惧、本書にもあるイネイブラー(飲酒助長者)の意味がよくわかる。土田世紀さんについても言及…と書いていたところで風間やんわりさんの訃報! 映画「凶悪」でも酒は比喩でなく殺す為の凶器として使われている。これらの作品に触れ、本当に酒への処し方に気をつけ余計な悲劇を生まないようにしてほしい。(尾崎未央)

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