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超訳 小説日米戦争/佐藤優

2013.10.03   CULTURE | BOOK

K&Kプレス
1,600yen

 大正9年に出版されたベストセラー、樋口麗陽著『小説 日米戦争未来記』を作家・元外務省主任分析官、佐藤優氏が『超訳 小説・日米戦争』として現代に蘇らせた。樋口の想像は20世紀末、ついに日米が開戦するという設定だ。開戦と同時に、人道主義を掲げていたはずのアメリカは在米日本人30万人を拘留し、あろうことか新兵器・空中魚雷の実験台にするという暴虐非道な行為に出る。このような卑怯卑劣なアメリカに天誅をくださんと、日本が世界に誇る艦隊はハワイ沖に向かうが、何と全滅、一転して日本は窮地に立たされる。だがそんな時、現れたのが、30年近くもの間、秩父の山奥でひっそりと新兵器の開発を行っていた石仏博士だった。樋口はこの小説を娯楽小説として書くと共に、読者に対して暗に警告を発していた。それが、佐藤優氏が超訳という形で本書を現代に復刻した理由だ。「歴史は反覆する」。今最も読むべき書だ。

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