オタクサークル内部での人間関係、恋愛模様が描かれていく本作、登場するのはみな何かしらの問題を抱えている「気がつけばオタクになっていた」面々ばかりである。TVアニメ化されたりもした本作は、現在も「げんしけん２代目」として連載継続中である。男所帯であったサークルも新入部員は（腐）女子ばかり、と年を経るごとに変容していくサークル内部をよく描いているが、二代目になっても登場し続ける元部長、斑目は実に気になる存在だ。勤務先も家も大学の近所、就職後もヒマさえあれば部室に顔を出して誰もいない部室でゲームに興じ…典型的なサークル離れ出来ないOB像である。しかし彼は、環境の変化で、かつて持っていたヲタ的な、漫画やアニメ自体にのめり込む情熱を失っていく。果たして彼はヲタであり続けることができるのか？　本作では彼の秘めていた恋愛にも一定の結論が出される。リアルなオタクの生態を描いた漫画として、今後も目が離せない。（多田遠志）