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映画『あしがらさん』で知られる飯田基晴がある日猫好きのおばあさんから「大人も子供も、動物を大切に思ってもらえるような映画を作ってほしい」と相談されて撮ったのが前作『犬と猫と人間と』だった。空前のペットブームの裏で問題化していた飼い主の身勝手さ、ペットショップの不法投棄などを冷静にカメラに収めた作品は人間のエゴを浮き彫りにしながら、その一方で小さな命を救おうと懸命に努力する人間の姿もまた描いていた。それから2年、東日本大震災後の東北で飯田が続編の制作を開始したと聞いて「これはすごい映画になる」と思ったが、それがこの『２』だ。監督は宮城県出身の宍戸大裕（今回、飯田はプロデュース）。当然のことだが、震災では人間だけでなく動物も被災している。しかも原発事故により福島には多くの犬猫、家畜が置き去りにされた。この深刻な状況下で人間には一体何ができるのか？ 決して目をそらしてはいけない現実がここにある。（加藤梅造）
