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魔人探偵脳噛ネウロ/松井 優征

2013.04.04   CULTURE | BOOK

集英社 / 735yen

 2009年に週刊少年ジャンプで大団円を迎えた「魔人探偵脳噛ネウロ」が文庫で帰ってきた。今同雑誌で話題沸騰中の「暗殺教室」の原点と言われるこの作品は、人の悪意が作り出す『謎』を喰う魔人・脳噛ネウロが人間界で究極の『謎』を解く(喰う)べく女子高生・桂木弥子を探偵役に仕立てあげ数々の事件を解決していくというもの。といってもミステリー色は強くなく(作者いわく"推理物の皮をかぶった単純娯楽漫画")、根底にあるテーマは、進化。とくに弥子のめざましい成長は、彼女がヒロインではなくあくまで主人公の一人だということを強く思わせる。また、見所としては、最近多い「本当は悪いやつじゃないけど環境や致し方ない理由で悪いことをする悪役」がいない所。犯人全員が自分の欲求のために犯罪を犯す。それを主人公達が暴き悪を討つ様は王道の形だが、このベタとシュールの絶妙な使い分けがこの作品の一番の魅力だ。今月は5、6巻が発売。(Asagaya/Loft A 田中萌)

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