3/23から渋谷ユーロスペースにてレイトショー
かってNHKに拒絶されたドキュメンタリー企画を、監督の戸田幸宏氏が自己資金でフィクション化。製作・脚本・監督すべてを手がけたという力作。在宅身体障害者向けの専門デリヘル(デリバリーヘルス※本番以外の全てのサービスを行う出張風俗)嬢を演じるのはグラドルとして活躍中で、まだ若干24歳の小泉麻耶さん。作品のテーマもあいまって、体当たりの演技には、艶かしさと背徳めいたものを感じた。作中でホーキング青山氏が言った「障害者の俺が不幸なのか、君のほうが不幸なのか」という言葉はヒロイン、作中で登場するストーカー男や宗教にハマる母親など、全ての人間に問いかける。元々はドキュメンタリー企画だということもあり、フィクションにするのは大変な作業であったと思う。全篇で流れる「転校生」による素晴らしい楽曲を静かに聴きながら「生きる」ということについて考える一作。(奥野テツオ)