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夜と霧 新版/ヴィクトール・E・フランクル

2013.03.04   CULTURE | BOOK

みすず書房
1,575yen

 ホロコーストを生き延びた心理学者によるナチのユダヤ人収容所体験記として余りにも有名なロングセラー。正直、今まで読むのが怖くて避けていたが、今さらながら読んでみた。なぜかというと、タランティーノ新作映画「ジャンゴ 繋がれざる者」に黒人だが黒人奴隷を虐待する黒人頭なる存在が出てきて、ナチ収容所にもユダヤ囚人なのに囚人を監視するカポーという存在がいたと想起し意を決して手を出してみたのだ。想像に全く反しこの書には残虐場面はなく、極限状況での人々の心理が学者の眼で淡々と透徹して描写、ユーモア、音楽、新聞?もあったと知る。だがほんの紙一重で生死が分かれる恐さ理不尽さ。関係ないが私が小学生の頃は南アにまだアパルトヘイトがあり「金持ちの日本人は有色人種ですが名誉白人と呼ばれ私達は差別されません」と習いイヤな気がしたのも想起。差別の根は深く身近、歴史ではない。(尾崎未央)

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