ここで僕なんぞがご紹介するのがおこがまし過ぎるんですが、最近読んでグッときた一冊ということでご紹介。いや「グッ」どころか「ググググッ」と来ました。ここのところのジョジョフィーバーにまつわる諸々の頂点に立つんではないかと、個人的には思っております。この「VS JOJO」シリーズ、今までの上遠野浩平、西尾維新というラインナップはいかにも頷けた訳ですが、今回の化学反応は意外でした。ただ、改めて考えてみればジョジョのテーマとされる「人間賛歌」って、舞城氏の諸作に通底するテーマと共鳴するのではないかと。舞城作品においては、登場人物が刺されたり犯されたり切り刻まれたり殺されたりはするものの、作品のベクトルはどこまでも突き抜けて前向きな訳です。それに舞城の濃厚なジョジョ愛が加わったことで産まれた、奇跡の一冊。700ページ超の大ボリュームに挑戦する価値は大いにあります。（Asagaya/Loft A 前川誠）