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占領都市/デイヴィッド・ピース

2012.11.06   CULTURE | BOOK

文藝春秋 / 2,100yen

 デイヴィッド・ピースが帝銀事件を描く!
前評判がたいへん高かったのでわくわくしてつい1作目を読まずに手に取ってしまったのだがうーん…正直ただひたすら読みにくかった。最初はロートレアモン「マルドロールの詩」のような幻惑的な散文詩(矛盾した言葉だが、散文なのに詩というものもあり、うまくいくとすごくハマるものなんです)なのかと思ったのだが…
 見返しに「アラン・ムーアのフロム・ヘルに比肩」的なことが書いてあったがフロム・ヘルほどイメージを喚起され時空をまたぐ悦楽感があるわけでもなし、カットアップ手法も活字体へのこだわりもカッコいいというより私には疲れるだけだった。ただ東電OL事件再審やPC遠隔操作など冤罪というものがクローズアップされているちょうど今読むには帝銀事件というモチーフは格好のものかもしれない。ある程度戦後史の予備知識必要かもしれない。異次元には連れてってくれます。(尾崎未央)

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