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脱原発とデモ──そして、民主主義

2012.11.06   CULTURE | BOOK

筑摩書房 / 1,260yen

 世界を震撼させた福島の原発事故以降、それまでいわゆる一般の人の間ではほとんど話題にならなかった原発について、多くの情報や言説がメディアに流れるようになった。こうした状況は多くの一般市民達が、各地のデモで声なき声をあげ、抗議を行い、呼応することによって獲得し、形作ったものだと言える。本書は、昨年4月以降、全国各地で市民が開いた脱原発デモにおいて行われた数々のスピーチを収録したものだ。5月7日「原発やめろデモ」での松本哉、宮台真司。6月11日「原発やめろ広場」での雨宮処凛、山下陽光。9月11日アルタ前占拠での飯田徹也、いとうせいこう、等々。僕はすべて現場で聞いていたが、たくさんのデモ参加者の前で語る彼らの言葉は、どれも緊迫感を持った心からの叫びだった。これら生の言葉がこうして一冊の本としてまとまったのは時代の証言としても非常に重要なことだ。ある種この1年半のドキュメンタリーとも言えるような一冊だ。(加藤梅造)

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