要するにヤンキーなのである。前のめりなビジネスマンのEXILEっぽさも、引きこもりなのに口癖が「パネェ」の友人も、父のパンチパーマも、すべて「ヤンキー的美学」に由来していたんです。本書は「ピッとして、ガチで気合いの入った、ハンパなく筋を通す喧嘩上等男」「ツヨメでチャラくてオラオラで」 —というノリの「ヤンキー的美学」を斎藤先生が、芸能人・ポップミュージック・小説・マンガなどから読み解く文化評論。キムタク・B’z・亀田三兄弟・坂本龍馬・白州次郎・ヤンキー先生・橋下徹etc…、キャラの立ったヤンキー的美学の体現者たちの言動に表れる「現実主義」「行動主義」「母性」「バッドテイスト」などの意味を考察する。そこからさらに古事記とヤンキーをつなげてしまうところなんて超アガります。読み進めるほどに自分の内なるヤンキー性に気づかされるパネェ本。みんなの心の中にも、きっとヤンキーは住んでる。そのヤンキーは言うだろう。「気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」。(Asagaya/Loft A 森下雄太)
世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析/斎藤環
2012.08.06 CULTURE | BOOK