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徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑

2012.03.05   CULTURE | DVD

東映ビデオ / 4,725yen

 幻の映画は数あれど、最近はそれが商品化する事が非常に多い。難病トラウマ映画『震える舌』、少年と老婆の恋を描いた『ハロルドとモード』。こりゃやはり1分1秒でも長生きしなきゃ、と思っていた所にこの『〜牛裂きの刑』のDVD化である。東映が隆盛していた日活ロマンポルノに対抗する為に展開した『異常性愛路線』映画の極北である本作は、拷問に快楽を覚えるバカ殿の拷問ショーや、足抜け芸者へのヤキ入れを、これでもかとイヤ気がさすほど見せつける。しかし意外に後味が悪くないのは、圧政でも拷問でも屈しない民衆の力に監督、牧口雄二の視点が向いているからか。後半の吉原編での川谷拓三の「一人ダチョウ倶楽部」な熱演は必見である。同時発売された日本版「悪魔のいけにえ」な『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』、「俺たちに明日はない」のような時代劇『毒婦お伝と首切り浅』、拓ボンが大久保清に扮する『戦後猟奇犯罪史』、どれもワイルドな魅力に溢れた「幻の映画」である。(多田遠志)

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