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トップレビュー「自己啓発病」社会 / 宮崎学

「自己啓発病」社会 / 宮崎学

2012.03.05   CULTURE | BOOK

祥伝社 / 760yen

 最後のアウトローを自認する宮崎さんらしい本である。最近の宮崎学は警察の腐敗追及やアウトローの世界、談合文化論などその方面では絶賛されてる。さて本書だが、MBA・英語力・法科大学院・IT技術・・・国民総「ポジティブ・バカ」時代が"さもしい社会"を生んだ。日本人の精神の貧困を、いま問い糺す・・・と帯の文言だけでもう解った気になったが。・・・この長い失われた20年はいわゆる「自己啓発ブーム」が起こった。合い言葉は「セルフアップ・スキルアップ・夢をかなえる」。ブームの根源は翻訳本であり、極めてゆがめられた「自助論」であると筆者は言う。う〜ん、私も会社の連中なんかに同じ事を言って会社を上手く経営しようとしている一人なのかも知れない。「成功したければスキルアップを!」なんていう風潮が筆者・宮崎学は面白くないのだ。そしてみんな「あきらめ」に変わっていくと言うのだ。若い人に是非読んでほしい。(平野 悠)

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