K&Bパブリッシャーズ / 1,575yen
福島県で生まれ、育ち、活動する、遠藤ミチロウ、大友良英、和合亮一。この３人が代表となって立ち上げたのが「プロジェクトFUKUSHIMA!」だ。「ノーモアフクシマ」でも「立ち上がれフクシマ」でもなく、フクシマから新たな文化を発信し、フクシマをポジティブな言葉にかえていこうと活動を始めたのがこのプロジェクトである。昨年8/15には「世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!」を開催し、今も継続中のこのプロジェクトを、その立ち上げから丹念にルポルタージュしたのが本書だ。著者の磯部涼はストリートミュージックの第一人者であるため、時に3.11以前にも遡り社会の中で音楽・文化はどんな役割を果たすのかを、豊富な取材やインタビューで分析していく。
「いま文化に何ができるのか──その問いについて考える時、大切なのは"何もできない"という回答を恐れないこと」と正直に書いている通り、今後の長い復興を考える上で「プロジェクトFUKUSHIMA! 」の今を是非知るべきだ。（加藤梅造）
