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二流小説家 / デイヴィッド・ゴードン

2012.01.06   CULTURE | BOOK

早川書房 / 1,995yen

 連続殺人鬼から題名通りの「二流作家」に告白本執筆の依頼が来る...という設定だけでもう大好物! しかもこの作家、なぜかカテキョー先の美形女子高生に頭が上がらず事実上「飼われ」てる状態。お好きな人にはたまらない設定ではなかろうか。変名を用いながら宇宙SF、ヴァンパイアものなどのいわゆる「ジャンル小説」を書き散らしている作家だが、クライアントの依頼に応え右往左往するうちにどんどん事件に巻き込まれていって...というミステリーとしての本筋とは別に、要所要所でその作家の書くジャンクな作品そのものの引用が差し挟まれるのが特色。「ただただ読者に手を差し伸べたいと思う、その思いは何なのか。それを愛と呼ぶのではないか。だからこそ探偵や殺人鬼、ヴァンパイアや異星人を主人公とするぼくらジャンル小説家は、飽きもせず同じような物語を綴りつづけているのではないか」。泣かせる。(尾崎未央)

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