2002年に「ほしのこえ」が日本アニメーションの世界に与えた衝撃は凄まじくかった。ほぼ全ての作業を一人で行なったにもかかわらずストーリー・作画・演出と余りにも全てのクォリティーが高く、当時の私は日本アニメの世界に新たな道が開かれたと感じるほどでした。事実これ以降に少人数での制作でありながら数々の名作が生まれたのは、それを感じたのが私だけではなかったということの表れだと思っています。そんな日本アニメの世界に新たな可能性を示した人というのが新海誠監督。そんな監督が4年ぶりに2年の海外生活を経て発表した最新作。「それは、"さよなら"を言うための旅」というキャッチコピーが表す様に、今作では別れを経験することで成長する姿を大地の美しさが印象的な世界で描かれています。海外生活での経験と新海監督自身の子供時代の経験がミックスされることで、今までの作品とは違う新たな一面を見せてくれた今作。観ないわけにはいかないでしょう。(阿佐ヶ谷ロフトA:柏木)