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報道災害【原発編】 / 上杉隆,烏賀陽弘道

2011.09.07   CULTURE | BOOK

幻冬舎新書 / 882yen

 311の東日本大震災から、はや半年が経とうとしている。あれから日本の大手メディア(特に新聞・テレビ)に、何か変化があったであろうか? 311以前の状態に戻った、もしくはこの非常事態に於いて、平然と311以前の状況に戻そうとして様を見ると、むしろ悪化しているような気がしてならない。これだけ脱原発の機運が高まっている中、なぜ大手メディアはその事には触れず、311の災害対応のマズさを理由に「菅降ろし」と「次期民主党代表選」報道に躍起になっているのか? 自民党・河野太郎議員が指摘する「電力会社系の族議員たちが、再生エネルギー法案の可決妨害を懸念」している件や、「自民党族議員が電力会社から莫大な金額を受け取っている」ことも、そもそも脱原発を実現するために必要な情報すら、日本の大手メディアからは知り得ることが出来ない。今後何10年、何100年と原発事故の影響に苦しむかも分からない日本に於いて報道はどうなっていくのか? 無視し続けた結果、ますまず貧しくなっていくのであろうか......。(石崎典夫)

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