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犬と猫と人間と

2011.08.04   CULTURE | DVD

紀伊國屋書店 / 3,990yen

 この映画の監督・飯田基晴は、ある時一人のおばあさんから「動物を大切に思ってもらえるような映画を作って欲しい」と頼まれる。特にペット問題に詳しくない監督は「私でいいんですか?」と聞き返したそうだが、こうして飯田と動物を巡る4年間にわたる撮影が始まり、そこで飯田は様々な重い現実に直面していく。空前のペットブームの暗部で、単に人間の都合で捨てられ、殺されていく犬と猫。殺処分の撮影をあえて許可した施設の職員は「私たちは無責任な飼い主の尻ぬぐいをしているだけ」とオフレコ気味に本音を漏らす。別の職員は「動物は好きです。犬も動物嫌いに殺されるより、好きな人に殺された方がまだましだと思う」とそのジレンマを告白する。そしてボランティアで動物を保護、飼育する人達。捨て犬を友達同士で育てる小学生達。「捨てるのも人間なら、救うのもまた人間」と飯田は根気よく彼らを撮す。観てると辛くなる映画だが、目を背けることもできない映画だ。(加藤梅造)

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