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ドリーム・ホーム

2011.06.06   CULTURE | MOVIE

シアターN渋谷他、全国各地で公開中

 映画のCMで映画鑑賞後の女子が涙グショ濡れで「感動しました!」「サイコー!」とか言うCMってそれだけで見る意欲を失う筆者である。犬が死ぬ映画とかならまだしも、クルパー映画の快作『ブラック・スワン』までこのCMの形式である、何ともはや。かようにすっかり映画産業は女子が支えているようなのだが、そんな映画女子たちにもお薦めの血まみれ映画がこの『ドリーム・ホーム』。何せ主人公は血まみれ女子。しかも美人。もうバッチリである。理想のマイホームを巡る凄惨な大量殺人を描いた映画であるが、日用品を用いたDIYな工夫のある殺害シーンはもちろんの事、ほんの数時間の密室的空間を舞台にしていたり、殺人の動機がちゃんと今の香港をとりまく社会批判になっていたりと、単なる血まみれ映画になっていないのは評価すべきである。何より犠牲になる若者達のバカな行動やバカな部屋の内装には「香港もカンフーやヤクザだけじゃないんだ!」と親近感溢れる事請け合いである。万が一このタイトルで集客が見込めなかった場合には、『食べて、祈って、恋をして』みたいなサブタイトルをつけて本作をDVD化する事をお薦めする。『恋して、殺して、住み替えて』とか。(多田遠志)

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