なんとも「写真集」大好き男のわたしゃ、この写真本を大木茂氏の奥様からいただいた。「う〜ん、知って居れば買ったのに...」と思うほど私はこの機関車の写真集を枕元に置いて寝る。そうすると夢の中に幼い頃に乗った機関車の思い出が走馬燈の様に吹き出してくる感じなのだ。「蒸気機関車とは、使い捨て物質文明に潰されてしまった人々の優しい心根へのオマージュである」と作者は語る。全編モノクロ、1963年から72年までの10年間の1400カットの蒸気機関車の記録である。「鉄道の魅力とはなんだろう」が多分写真家・大木さんのこだわりなのだろうと察した。機関車はいい。実にいい。モノクロが更にいい!(平野 悠)