未曾有の国難に休刊したアサヒグラフも緊急復刊。大判での鮮明な災害写真の数々の迫力、屋根上で救助された男性の「何も話したくない」というコメントの重み。週刊朝日表紙にもなり世界に配信された「瓦礫のただ中、道に座り込み泣く女性」。話を聞いたとあるがその言葉がないのが惜しい（写真の迫力が物凄いので説明が余計）。サンデー毎日の緊急増刊「東日本大震災」は全写真に何時何分かつきまた地域別詳報が実に見やすい。時系列になっているので、自分の時間記憶がショックで溶解していたと気づいた。「地震直後の空撮」に驚いていたのだが発生14:46、津波の宮古到達15:21、仙台空港到達が16時と長い時間押し寄せ続けていたのだと改めて知る。「海外の報道写真はいいが日本のはだめ」など聞くが、実は日本人撮影の写真が世界に配信されていたと改めて知ることも多いだろう。本誌読者の若い皆さんは、これら見やすいグラフ誌から始め、できれば即時のネットばかりでなく、後から検証された紙媒体を多数比較検証し自ら情報を精査する癖をぜひ身につけてほしい。デマに踊るのみならず、自らがデマを発信しているかもしれぬ可能性にどうか怖れを抱いて。過剰に放射能や物資不足を心配する余り、同じ日本人同士人間同士で無意識に差別を始めるなど悲しすぎてちっともクールじゃないよ。（尾崎未央）

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